五風荘庭園

旧岸和田城内新御茶屋跡、敷地面積2千4百坪の広壮な庭園は四季折々の変化が楽しめます。
母屋のほか日本建築の数奇を凝らした三つの茶室もあり、信長公ゆかりの十三重の石塔や仲秋の名月を映す手水鉢、現在では入手困難という景石が配された様には、地方財閥の栄華が偲ばれます。
この庭園は一般開放され、自由に散策していただけます。

五風荘庭園見取り図

①石柱

「葷酒山門に入るを許さず」と書いてあります。
世俗との境界である門の中にお酒を持ち込まぬように、とのことです。

②為善門

重い瓦屋根と細い木の柱とのアンバランスを楽しむ門です。

③待ち席

お茶の準備が整うまでのお席です。
いちばん左側が正客様のお席。
そこから右斜め上の門と木の間を見ると、岸和田城が見えます。

④雪見灯篭

雪が降った時に足下を照らすための低い灯篭です。

⑤船着き場

池をわざわざ船で渡る、という非日常の贅沢を行うこともあったそうです。
月見の宴なども催されていたとか。

⑥山亭

二面がガラスになっているため、部屋の奥まで光が入る、明るい茶室です。
設計は岐津宗詮氏、施行は地元大工で「大喜」という屋号の小川喜兵光。
京都清水寺と同じ、懸崖造りという建築様式です。
自然に石から木が生えているさまに、大工技術の素晴らしさが伺えます。
使用している木は榁(むろ)の木です。

⑦滝の大岩

山中の滝から水が流れ集まり川となり、海へ流れていくさまを表して「山亭」と言われています。

⑧利庵・残月席

貴賓様用の茶室。頭を下げずに入ることができる貴賓口があります。表千家の残月席の写しです。

⑨利庵・八窓席

八つの異なる窓がある茶室。躙り口から入室します。
残月席よりも小さい席です。

⑩野仏

野仏がいらっしゃいます。
山里にいるような趣向を凝らしています。

⑪南木門

奈良の東大寺中性院の表門を貰い受けて建てられたそうです。五風荘の中で最も古いものです。

⑫船津橋御門

船津橋の橋柱を使用した門。
重厚な柱に軽い木造の屋根で、為善門と対照的な門です。

⑬十三石の塔

文永元年(1264年)、およそ720年前に造られた塔です。安土城に織田信長が持ち込み、その後、大阪城や様々な場所を転々とし、時を経て、寺田利吉氏が手に入れました。十三石の塔は、初七日から三十三年の供養の目印です。

⑭屋敷神

岸城神社と同じく、八幡神を祀っています。戦の神を祀ることで、屋敷をお守りしていただきます。お社は泉佐野の布団太鼓に屋根をつけたもの。屋根に載る座布団のふさの稲の見立てと、土台の海の魚の彫刻により、五穀豊穣を願っています。

⑮蓬莱島

ひょうたん池の中心にある島で、仙人が住んでいると言われています。宝船の見立て岩。不老不死の薬を運ぶさまを表しています。

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